SNS集客は終わった?今必要なウェブ集客 - SEOが再び注目を浴びるワケ!

インタネットでの集客を検討するとき、どんな方法を考えますか?
おそらく多くの方は、Facebookなど、SNSでの集客を真っ先に思い浮かべるのではありませんか?
確かに昨今ソーシャルメディアの過熱ぶりは、ビジネスを営む事業者なら無視することはできません。なぜなら、SNSはファンを作り、ファンを囲い込む手段として、とても優れているからです。また、さまざまな告知や案内にも有効です。当然、多くの企業や事業者もその流れに乗ろうと、SNSを活用した集客を盛んに行っています。記事の投稿だけでなく、SNS広告が急激に伸びているのもその顕著な表れです。インターネット集客を行う事業者で、SNSを活用しない者はいないのではないでしょうか?
だから、もし事業者なら・・・
多くの見込客はソーシャルにいる。今さらSEOなんてやっている場合じゃない!SNSで攻めろ!!
なんて、考えてしまうのも無理もないことです。
でも、もし、あなたもそう考えているとしたら、ひょっとして、その考え方を改める必要があるかもしれません。そうでないとしたら、大きな機会損失を生み出しているかもしれないからです。
ちょっと下のグラフをご覧ください。

これは、 Vox Media, Inc. が運営するメディアサイト『record』で見つけた「 Google is sending more traffic than Facebook to publishers — again 」の記事から引用したもので、パブリッシャー(メディアサイト/情報サイト)がトラフィックを獲得する参照元の変化の推移を表したものです。ここで言うパブリッシャーとはウォールストリート・ジャーナルやワシントンポスト、タイムなど、世界大手を含む2500社の解析情報に基づくものなので、その信憑性は高いと言わざるを得ません。
説明に入る前に数値をまとめてみました。(以下)
2017年1月〜11月までのトラフィック参照元(FacebookとGoogleの比較)
■2月時点
Facebook:約39%
Google :約33%
この時点ではFacebookからのトラフィックが上回っている
■6月時
Facebook:約35%
Google:約36%
この時点でFacebookとGoogleからのトラフィックは既に逆転している
■11月時点
Facebook:約26%
Google:約43%
逆転した両者からのトラフィックはますます広がる傾向にある
2017年の2月時点では、Facebookからのトラフィックの流れが40%近くあり、Googleの約34%を超えていました。しかし、Facebookの参照元はこの時をピークに、その後、下がり始め、逆にGoogleは増え始めています。2017年5月〜6月にかけ、遂にそのパーセンテージは逆転しています。GoogleがFacebookを上回り、その差がどんどん開いています。11月末時点では、Googleからのトラフィックが45%近くにまで上昇しましたが、逆にソーシャルメディアであるFacebookからのトラフィックが25%近くまでに落ち込んでいます。このグラフから読み取る限りでは、この傾向は2018年にかけてもさらに続くと思われます。
つまり、多くのパブリッシャーは必然的に集客チャネルの戦略の見直しを迫られています。集客の重点をどこに置くかで、トラフィックの流入に大きな差が出るからです。
FacebookやTwitter、LinkedInやInstagram等など、多くのソーシャルメディアで投稿や露出による集客にも、そろそろメディア戦略の方向転換の必要性がありそうです。
日本のウェブ担当やメディア戦略担当の方も、今では、ソーシャルメディアの「いいね」の数やコメントの数ばかりを気にしてはいられません。ましてや、SNS広告を出稿している場合は、その費用対効果、さらにはその予算の使い道をもう一度再点検、検討する時期にあるのかもしれません。
では、これらの傾向の変化にはどのような理由が考えられるのでしょうか?『record』の記事によると・・・
一つにはソーシャルメディア側での方針やアルゴリズムの変更によるものが考えられます。例えば、友達などの投稿が優先的に表示されるようになり、集客やトラフィック目的の投稿が表示される機会が減る傾向にあるからです。
また、昨今の動画投稿のブームにより、SNSから投稿元のサイトにトラフィックが流れる前に、動画閲覧で目的が完結されてしまう、というユーザー側の利用にも変化が見られます。
さらには、GoogoleのAMP(Accelerated Mobile Pages)の開発により、モバイル端末上でのウェブ表示に高速化が促進され、結果的にパブリッシャーによる記事がGoogleで上位表示されることが増えたこともその理由と考えられています。
これらの見方には正当性があり、おそらく理由のかなり大きなウェイトを占めていると考えられます。しかし、どうも理由はそれだけではなさそうです。
これは、あくまでも私の推測ではありますが、パンダアップデートやペンギンアップデートなど、Googleによる検索アルゴリズムのルール転換によるSEOの環境変化が、ここに来て明確な結果を作り上げてきたのではないでしょうか?
つまり、それまでの作為的なSEOや不正なSEOなどにより、本来ユーザーが求めない情報も検索エンジンで多く上位表示されていたSEO暗黒時代から、検索利用者が本当に必要とする有益で優良なコンテンツを数多く配信し続けるサイトが、SEOでより上位表示されるようになるという、健全な姿になりつつあり、それにより、これまで以上に検索からの流入が増えているのではないでしょうか?
コンテンツマーケティングがここ数年、注目を浴びていているのもそのためです。優良で有益なコンテンツを、計算された最適なキーワードの戦略で、継続的に配信続ける手法は、GoogleのSEOの根本的な考え方と合致するところも多く、結果的にSEO対策にも効果的であるということが、コンテンツマーケティングを行う多くのサイトの実績からも証明されています。
もちろん、ソーシャルメディアとSEOを同列で語ることはナンセンスです。両者は別ものですし、その特徴も利用方法や目的も大きく異なります。
例えば、友達や知り合いの近況を知るためや投稿するためにGoogleで検索する人はいないでしょう。また、探したい情報を見つけるためにFacebookで検索する人はまずいません。
検索エンジンは探しているものを出来る限りピンポイントで見つけたいという、今直面する直接的なニーズのためにあります。そして、検索エンジンのトップに表示される検索結果から順にサイトを訪れる傾向があります。また、上位表示されない表示結果のクリック率は極端に低くなります。だから、SEOが重要です。本来、探し物をしている人に見つけてもらうには、検索エンジンが最適なプラットフォームであり、そのためにはSEOが不可欠です。
検索エンジン表示順位とクリック率
1位 : 21.12%
2位 : 10.65%
3位 : 7.57%
4位 : 4.66%
5位 : 3.42%
6位 : 2.56%
7位 : 2.69%
8位 : 1.74%
9位 : 1.74%
10位 : 1.64%
※ 2017年夏 Internet Marketing Ninjas社
一方、ソーシャルマディアの目的は検索ではありません。SNSでの集客は、そもそも直接的なニーズも直近でのニーズもない人の興味を惹くところから始まります。しかし、これを上手に行えば、今すぐのお客様でなくても、将来の潜在的な顧客を取り込むことができます。SNSはさまざまな属性や嗜好の人たちを抱き込む巨大なデータベースです。上手に利用しない手はありません。
ただ、最近の傾向に見られるように、トラフィックの参照元はSNSから検索エンジンに急激に、そして大きくシフトしています。より多くの人のが検索エンジンから流れてくるようになっています。「今さらSEOなんて」など、言っている場合ではありません。もし、FacebookなどSNSのメディア戦略や広告ばかりに気を取られていると、今、急激に増えている検索エンジンからの優良なトラフィックを取りこぼすことにもなりかねません。
これからのネット集客ではSEOがますます重要になります。そして、そのSEOを行う上で、Googleの考え方とも最も合致し、今、最適で継続的に効果を発揮できるSEOの施策がコンテンツマーケティングと言えます。検索エンジンで上位表示させ「今すぐ」のお客を取り込むだけではなく、「今すぐ」ではない「これから」の潜在的なお客を取り込む上でも効果があるからです。
今、SEOが再び大きな注目を浴びるのは、そんな背景があるからです。
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