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人口減少と企業力をちょっと真剣に考えてみると、何だか日本の将来が恐ろしくなってきた。

最終更新: 2019年11月22日


日本の人口が減少局面に入り、世帯数も減っている、そう言われしばらくが経ちますが、人口減少って企業の生産性や存続にどんな意味を持つのでしょうか?マーケの得ダネでは、ちょっと真剣に考えてみることにしました。漠然と国力が下がることはわかるのですが、経済活動を支える企業にどんな影響がでるのか、実は、前から気になってもいました。すると、考えてみればみるほど、何だか恐ろしい未来が見えてきました。あなたはどう考えますか?

主な内容

  • 経済が縮小する日本

  • 人口減がもたらす企業への影響

  • 人口減の大国に残される選択

  • 人口が減少する経済大国、日本が生き残る道

◇◇◇◇◇◇◇

■経済が縮小する日本

1990年半ばの頃、中国の経済成長に、何となく将来的な危機感のようなものを感じたりしませんでしたか?。

当時は、日本や多くの西側先進諸国が、生産等の拠点を中国に移し、安い労働力で自国の市場や国際価格競争力で優位なポジションを確立しようとしていました。まだまだ中国は労働を供給する国として見られていました。

しかし、そんな企業の動きも必要と理解しつつも、その先の将来を案ずる人もいました。賃金の上昇というような目に見える単純なものだけではなく、中国のどん欲なまでの技術やノウハウの吸収力と、そして、巨大な国土と14億にも迫る世界一の人口です。

ちょっと見識がある人であれば、いずれ中国が経済大国として、世界に台頭する日がくることを、当然のように予想していたに違いありません。ただ、そんなことを声高に唱える人は、まだごく僅かでした。おそらく、自由主義経済の先進諸国は、共産主義経済の社会主義国家という中国を、どこかで見下していたのかもしれません。きっと、「中国でのコストが高くなったら、どこかほかの国に拠点を移せばいい」、そんな程度に考えていたのかもしれません。そんなことより何より、先進諸国に企業は、価格競争力をつけて勝ち抜くことで目一杯だったのでしょう。

しかし、今、GDPではアメリカに次ぐ、世界第二位の経済大国にまで成長した中国の勢いを止めるものは、もはやどこにもありません。怖いのは13億8400万人の世界第一位の人口です。日本の1億2600万人(世界11位)の10倍以上です。また、国土では日本の24倍以上の広さがあります。おそらくGDPでも、いずれアメリカを抜いて世界第一になるのは、まず間違いないでしょう。

2009年、GDP世界3位だった中国が、翌2010年に日本を抜き、世界第2位の経済大国になってから、その成長ぶりには目を見張るものがあります。ちょっと下の表を見て下さい。


この表はアメリカ、日本、ドイツ、中国のGDPの世界ランクと人口の推移を比較していますが、ここで特にご注目頂きたいのが、日本と中国の比較です。

1995年、西側先進国が中国に工場や生産拠点を移していた頃、日本はアメリカに次ぐGDP世界第2位の経済大国でした。同年の中国のGDPは世界8位です。この時、日本のGDPは中国およそ7.5倍でした。中国が日本を抜いたのは2010年ですが、その後2016年までに、成長し続けているのは、世界1位のアメリカと2位の中国で、4位のドイツもほぼ横ばいですが、わずかに成長しています。しかし、この間、日本のGDPだけが大きく縮小しています。さらに、1995年との比較では、アメリカ、中国、ドイツの3カ国とも、どれも大きく経済を成長させていますが、GDP第2位だった日本だけは、横ばいどころか、顕著なマイナスに転じています。日本の経済は確実に縮小しています。20年以上前の経済規模より小さくなっています。いずれ、ドイツにも抜かれるかもしれません。

よくこの話をすると、「国民一人当たりのDGPはまだまだ日本の方が上だ」という人がいます。確かに2016年現在、中国の国民一人当たりのGDPは世界74位で、GDPは莫大な人口に支えられているとも言えます。しかし、日本の「国民一人当たりのGDP」も実は世界22位で、20位内にも入っていません。日本のGDPも約1億2600万人の人口に支えられている、と言ってもいいのではないでしょうか?アメリカ(8位)はちろん、ドイツ(19位)と比べても低い水準です。

  • 国民一人当たりの名目GDP(2016年)

アメリカ: 8位 57,607.61(USD)

ドイツ :19位 42,176.85(USD)

日本  :22位 38,882.64(USD)

中国  :74位  8,123.26(USD)

もう一つ注目したいのが人口です。14億人近い世界第一位の中国の人口は、今もなお増えています。逆に日本は減少に転じています。しかも、急激に高齢化が進んでいます。また、そもそも中国の人口は日本の10倍以上です。仮に減少に転じ、高齢化が進むとしても、中国には、まだまだ伸びしろが十分あります。日本の高齢化事情や世界の事情もよく知る中国は、既に、経済、政治、外交、軍事、国土、覇権など、あらゆる国策を絡めて世界経済での優位なポジションを築き、来たる高齢化に向けても準備していると予想できますす。

■人口減がもたらす企業への影響

あまり中国との比較ばかりをしていると、今回のテーマの本筋から離れてしまいますので、ここで、フォーカスを日本の人口減少と企業力に戻します。

例えば、製造メーカーのA社とクラウドアプリの開発・販売・サービスを提供するB社があるとします。仮にそれぞれのビジネスの規模を以下の通り設定します。

  • A社:従業員数100名、製品数10個、年商10億円

  • B社:従業員数10名、製品(サービス)1個、年商6億円

年商では、A社がB社の約1.7倍売り上げています。パッと見、A社の方がよさそうにも見えます。しかし、従業員一人当たりの売上で比較すると、A社は1000万円、B社は6000万円になります。B社の年商はA社の6割でも、一人当たりの売上は6倍もあります。かなり生産性が高い企業と言えます。

もし、A社の社員が50人まで減ったとしたら、どうなるでしょう?

あくまでも単純計算ですが、従業員一人当たりの売上が1000万円ですので、計算上は5億円にまで落ち込んでしまいます。一気に社員10人のB社に抜かれてしまいます。

おそらくA社は、売れない製品を淘汰し、売れ筋にのみに絞り込むなどの経営合理化を行うことになるでしょう。

実は、これが人口減少が進む日本の将来とも言えます。

長時間労働が当たり前の、日本の労働生産性はそんなに高くありません。むしろ低いと言われています。生産性が低い中、人口が減り続けると、当然、総生産は減ります。すると、先ほどのA社のようなことが起きてしまいます。ただし、労働力が減るだけであれば、生産性を上げれば、あるい意味解決できますが、残念ながら人口の場合は、働くものが減るだけではなく、買うものも減るということですので、状況はもう少し複雑です。一生懸命生産性を上げても売れない、そんなことも起きてしまいます。経済そのものが縮小してしまいます。

■人口減の大国に残される選択

人口減少が進む国においては、経済規模が縮小するのは当然のことです。経済成長するための解決方法は大きく3つで、人口を増やすか、海外に出ていくか、もしくは新しい産業を創出するしかありません。内需拡大はほぼ無理です。

人口を増やすことは、日本の政治や働く環境や生活環境を見る限りでは、今のところ、ほぼ不可能と言えます。人口減は避けられません。

実は、海外に出ることも、日本が不得意とするところでもあります。かつては、今の名だたる大手企業が積極的に海外へ進出し、事業を拡大し、日本の経済を牽引してきました。しかし、今のほとんどの中小零細企業には、その力も意欲もありません。

また、仮に海外に出ても、今の日本で勝てるかどうかは、定かではありません。技術力はともかく、価格競争力がありません。一部の大企業(あるいは相当企業)だけが戦える戦場です。一方、海外に積極的に出る新興企業が多い国は、ますます経済発展するか、少なくとも今の経済規模を維持することはできると思われます。中国やその他のアジア諸国やアフリカの一部の国などは、この位置づけにあると言えます。

となると、日本の企業は、今後もますます縮小する日本の市場で、激しい奪い合いを繰り広げることになります。このままだと、人口が1億人を割る前あたりから、日本ではバタバタ倒産や廃業する企業が増えてきます。おそらく最終的な企業数は、今の半分くらいまでに減るのではないでしょうか?

新しい産業の創出も必要ですが、今のところ、この分野で世界を牽引しているのは、アメリカのみと言ってもいいでしょう。大きく経済を成長せた中国も、新たな産業の創出では、まだアメリカの足元にも及びません。確かに、起業や創業は多いのですが、既存の産業分野に限られています。それでも、技術力も価格競争力、そして政治力もあり、まだまだ既存の産業分野でも成長できますので、いずれ、新たな産業を創出する分野でもアメリカに並び、追い抜く日がくるかもしれません。残念ながら今のところ、日本はまだ蚊帳の外です。

■人口が減少する経済大国、日本が生き残る道

マーケの得ダネが想定する日本の生き残り方は、大きく2つと考えています。

一つは人口減を受け入れ、それに合わせた企業構造を作り上げることです。日本の人口は、このまま推移すると、2060年までに1億人を割り、2070年までには8000万人台まで減少すると予測されています。それに合わせて、余分な企業は淘汰し、強い企業に凝縮していく道を歩むというシナリオです。当然、経済規模は今より縮小します。良くて横ばいにできれば大成功です。

おそらく既存(またはその延長線上)の産業分野での戦いでは、日本は、台頭してくる諸外国には勝てないと思われます。日本の技術力は高いと言っても、そんなものはすぐに追いつかれます。既に追いつかれている分野もたくさんあります。また、日本との取引ではコストが合わないことも多分にあります。諸外国のコストに合わせてしまえば、ますます経済を縮小させます。既存(またはその延長線上)の産業分野で生き残る道を選択する場合は、人口減に合わせて、企業が淘汰される道を歩むしかないでしょう。

もう一つは、一時的な人口減少は受け入れつつも、新たな産業を創出する道を国ぐるみで歩むという選択です。諸外国から社会主義国家と呼ばれようが、官民一体で取り組むことが成功の決め手になるでしょう。相当の国家予算を必要とするかもしれませんが、バイオや医療、自然エネルギーや資源、AIなど、日本の技術が生かされる分野も、まだまだたくさんあります。日本として得意な分野を戦略的に選択し、国家予算を投じて集中的に取り組み、その分野で新たな産業を創出できれば、市場は国内では小さ過ぎ、間違いなく世界へと広がります。そのため人口は減っても経済は成長します。生産性も今より格段に高くなると考えられ、結果的には人口増に転じることにもなるでしょう。

国家としての取り組みが一番効果的ですが、企業連合を組むというやり方もあります。簡単ではないでしょうが、いろんな企業間の垣根を越えられば、日本ほど潜在力を持つ国は他にはないかもしれません。期待したいところです。

人口減少を考えれば考えるほど、怖い将来を想像してしまいます。かつて、人口を著しく減少させた国の多くは、ほぼ間違いなく衰退しています。軍事も外交もそれほど強くない日本で、このまま人口が縮小し、経済力を低下させることになると、世界と対等に渡り合えるのかも気になるところです。皆さんは、日本の人口減にどんな将来を予想しますか?

#新時代ビジネス #市場業界動向



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